遺影を用意する
遺影とはお葬式の祭壇に飾る写真ぐらいにしか思っていません。人生の最後を印象付ける写真ですが、普通は遺影の用意などはしていないもので、手元にある写真の中から葬儀屋が適当に選んで引き伸ばして背景処理をしてプレートに収めて遺影にします。
遺影
この遺影、本人が既に無くなっているから、人任せ(葬儀屋任せ)だからスムーズにことは運ぶが、本人が自分で選ぶとなると結構難しい。
歳を重ねることと、人生の充実感とは、必ずしも一つの線にならない。むしろ乖離することすらあるだろう。
老いてからの穏やかな表情はすべてを飲み込んだ表情かもしれない。
好きな趣味、熱中する仕事、それらの中にいる自分の姿。
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遺影とは、考え始めると、ある意味では恵まれた人の終活メニューの一つなんだろう。それでも、時間をさかのぼることは出来ないという残酷な現実も其処にはある。だから、”直近~最後”という発想をせざるを得ないのが一般的だ。
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毎年家族写真を撮る人もいる。元気だった頃の最後の家族写真が遺影になる。
「人生をともにできたことに感謝します」という心持でカメラを見つめる自分がそこには居るのだ。写真屋はそのときだけ、斎場の一瞬を切り取った厳かなものになる。
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注意
- デジカメで済ませておいてはいけません。必ずプリントアウトしておくこと。日付と場所も書いておくこと。
- 今時はデジタルの画像でもやってくれるが、手際よく電子ファイルが取り出せるとは限らない。
- のっぺりした遺影でないときは遺影にまつわるエピソード、思い入れも書き残しておくのが良い。
蛇足
こういうものもある。身内の不幸をメル友などに送るときに使いたいのだろうが、悪ふざけや虐めにつながる利用もあるから、実際の利用は難しいかもしれない。
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