相続争いの話?5千万円は小額ではないけど?


2014年12月28日公開(2014年12月30日更新)

相続の家族争いは少額でも起こる!
裁判は相続額5000万円未満が7割も




2015年から相続税は基礎控除が4割も縮小される大幅増税となる。これまでは相続税と無縁だった人でも、地価の高い地域にちょっとした土地があれば相続税の対象となる可能性が出てきた。そのため節税術への関心が高まっている。しかし、相続には税金対策以上の大問題が…。

長男との同居で節税対策は万全だったのに
長女が介護をしたので多く欲しいと主張!

今発売中のダイヤモンド・ザイ2月号には大特集「親子&夫婦で考えるお金の片付け」が掲載されている。今回はその記事の中から、相続にまつわる大問題を紹介しよう。相続なんて無関係と思っているアナタ、そんなことはありません。
 東京の都心に一戸建てを持つ近藤重美さん(仮名)も相続で悩む1人。自宅の敷地に2世帯住宅を建てて親子で同居し、親の死後も子が住み続けると 「小規模宅地の特例」が適用され、相続する土地の評価は8割も減額される節税術があると聞き、近藤さんも長男と同居するプランを立てた。
 近藤さんの自宅の土地の時価は約1億円で、このままでは相続税がかかるが、この特例を使えば土地は約2000万円の評価となり、相続税を大幅に減らせる。


 他には預金が4000万円あるので、次男と長女に2000万円ずつあげようと考えていた近藤さんは「これで節税できる。財産の片付けも順調だ」と安心した。
 ところが、そのプランを聞いた次男と長女は納得しなかった。次男は「自宅は土地だけでも1億円。不公平」と激怒。長女は「私は仕事を辞めて母親の 介護をしたので多く相続する権利がある」と主張。長男は「次男は私立大学へ進学した上に留学費まで出してもらった」と譲らず、兄弟仲は悪くなるばかりだっ た。





「相続対策」と聞くと節税ばかり目が行きがちだが、大事なのは争い防止。「うちは資産家じゃないから無関係」というのも通用しない。相続の裁判で も実に7割超は、相続税の対象外の5000万円未満(2015年からは3600万円が課税最低ライン)の財産を巡る争いだ。そして3件に1件は1000万 円未満だ。










親子間の片付けで大事なのは、争いのないように家族で話し合い、子ども全員を納得させることに尽きる。

子供に分割できない自宅を公平に
分けたいならこの裏ワザが有効!

和菓子屋を営む村下清さん(仮名)には跡継ぎの長男と、会社員の次男の相続人がいる。財産は時価2000万円の1階が店舗の自宅のみ。
 村下さんは、この財産の片付けで悩んでいた。その自宅兼店舗は跡継ぎの長男が相続する必要があるが、それでは次男の相続分はゼロとなる。長男は「俺は家と店を守る」と譲らず、次男は「公平にもらう権利がある」と譲らないからだ。
 こんな時、公平な片付けをする手段は3つ。
 1つ目は「換価分割」と呼ばれる手法。自宅を売却し代金を等分するのだ。しかし、これでは長男は家業を継続できない。2つ目は「共有」。自宅を兄 弟の共同名義にするのだ。だが住むことも売却も自由にできない次男にメリットはほとんどないし、次の代の相続でもめる原因になる。3つ目は「代償分割」。 時価2000万円の自宅を継いだ長男が次男へ差額分の1000万円を現金で支払うのだ。







代償分割なら長男にはまとまった出費が発生するが自宅兼店舗を継げるし、次男は公平に父の財産の半額を手にできる。清さんが死亡した際は代償分割をすることで家族は納得した。
 このように、各家庭において頻発する相続問題だが、今発売中のダイヤモンド・ザイ2月号ではこうした親子や夫婦のお金の問題の20のケーススタディを対策ガイド付きで紹介している。問題を起こさないためにもぜひ読んでみてほしい。



先日セールスを受けたダイヤモンドの定期購読は現役踏みにもリタイア組にも意味がありそうだ。前向きに検討してみよう。

30

365

人気の投稿